コミュニケーション能力ってなに?
まぶしい。朝か…?そういや変な夢を見たな。
久しぶりの連休だから調子乗りすぎたかな。
目が覚めた翼が最初に思ったのはそんな事だった。
「神様の使いが来たなら、俺にも運が向いてくるかな(笑)」
「そこまでの力はないですなぁ」
「!!!」
振り返ると昨日の白い狐がいた。
確か京都の有名な神社に関連する狐で縁に関連した狐。
名前は…。
「コン?」
「いきなり呼び捨てですか?」
なんともいけずなひびきでツッコミを入れられて思わず萎縮する。
「まぁ、だいたいのことは覚えてそうで安心しましたわ」
どう見ても狐なのに表情豊かで不思議に思う。今、確かにニッコリ笑ったよな?
「昨日も簡単には言いましたがうちに運を操るまでの力はありません」
「え、そんな…」
「ただし!サポートをすることは可能です。その場限りの食べ物にありつけるのと、魚の釣り方とか食べ物を手に入れる方法を教えてもらうのと。翼さん、どっちがいい?」
…楽をしたい。それが翼の本心だった。
ただコンの妙な迫力がそれを選ばせない。
「食べ物を手に入れる方法…です…」
「せやろ?いやぁ、話が早くて嬉しいわ」
すでに力関係が構築されている…。そんな危機を感じる翼だった。
「ほな、さっそく質問なんやけれど『コミュニケーション能力』ってなにですのん?」
「え?」
翼はぽかんと口を開けた。縁をつかさどる神の眷族とか言いながらそんなこともわからないのか、と。
「あれだよ。人と仲良くなる為の能力だよ」
「へぇ、人って誰でもいいんです?」
「誰でもよくないよ!自分の好きな相手だったり、仕事相手だったり…」
「ほぉ、翼さんはそういう人とプライベートでも仲良くなりたい?」
「仕事相手は別だよ。だから…」
禅問答のようなやり取りに翼は混乱してきた。
いったいコミュニケーション能力ってなんなんだ?
「お社に参拝に来はる人にもいるんです。『幸せになりたい』て願いはる人。これが一番困る!いったい『幸せ』てなんですのん!」
いきなり激昂する白い狐に反論できずに首を思いっきり縦に振る。
「と、これとコミュニケーション能力は良く似てるんです」
すっとコンは怒りを鎮めて翼に襟を正して向き合った。
「まず重要なのは、翼さん。あんたの『望み』です」
「俺の『望み』?!」
俺とコンの物語はここから本当の始りを迎える。
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こんにちは、S&Aコミュニケーションの友田ときです。
早速ですがみなさん、『コミュニケーション能力』てなんでしょう。
人前で話せる能力?お客さまに気にいられる能力?
上司と仲良くなる能力?友達を増やす能力?会話を途切れさせない能力?
場を盛り上げる能力?モテるための能力?
私は細かいことが気になる性分でここでかなり悩みました。
結論として「はっきりしたモノはない!」のです。
人が人間関係に悩んだときに足りないと嘆き、うらやましがる時に使うのが
『コミュニケーション能力』という言葉なのです。
もう少し良く言えば総合能力です。
だから漠然と『コミュニケーション能力』と求めても身に付きません。
そこで必要になってくるのがあなたの『望み』です。
なぜそれが必要なのか?
それはまた次回。