"Actor"と"Scientific"
「で、翼さん。望みはなんですか?」
コンにそう言われて俺は改めて考えた。コミュニケーション能力が欲しい。それは本当。でもそれはあやふやなもので。
だからなんでコミュニケーション能力が欲しいかを…。
「翼さん」
「…」
「翼さーん」
「……」
コンは大きなため息を1つついた。
「酔ってはるときの方が素直やなぁ」
コンはどこからともなくはりせんを出しスパーン!
「痛っ!!」
「おかえりやす」
「おい、狐!お前、絶対に京都じゃないだろ?!」
「そんなことよりも!!」
コンはずいっと俺に顔を寄せた。
「望みに関しては、今はこの辺にしましょう」
「え?」
「今まで翼さんは自分の望みに向き合ってこなかった。そして今は向き合い始めてる。ここまでは間違いないですね?」
俺はバカみたいにうなずいた。
「ここからは時間が必要になります。高跳びを始めた選手が急に高いバーを跳べないように。『自分の望みってなんだろ?』と考えながら生活することによって気づくことがたくさんあります」
「本当に?」
「本当。信じなはれ」
コンは今まで見たことのないような優しい笑顔で俺に言った。
それは美しく、神さまの使いというのは本当かもしれないと俺は思った。
「…素直すぎて気持ち悪(笑)」
そんな呟きが聞こえないほど俺は感動していた。
「さて、『望み』がアバウトなときでも生きてく必要があります。というよりアバウトな状態ほど生活は大切です」
俺はコンの話をメモをとりながら聞くようになった。
「重要なのは『意図』を持つこと。そして行動のポイントは大きく分けて2つ!」
"Actor"と"Scientific"!!!」
真面目に学ぼうとした俺にコンは訳のわからないことを言い始めた。
大丈夫か、俺?
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こんにちは、S&Aコミュニケーションの友田ときです。
出てきました"Actor"と"Scientific"!
私が教えるコミュニケーション術は大きく2つに分かれます。
先に少しだけ伝えると"Actor"は『役者』、”Scientific”は『科学的な』と言う意味です。
コミュニケーションと役者と科学的。
これがどう結び付くのでしょう。
ここからの展開をお楽しみに。
望みはすべての源?
「俺の『望み』?!」
俺は正直混乱していた。だってそうだろ?
コミュニケーションって相手の気持ちとか考えるものだろ。
そりゃIメッセージとかあるよ。
でもいきなり自分の望みとか言われても…。
混乱する俺をほっておいてコンは器用に茶をすすっていた。
「で、翼さん、自問自答は終わりました?」
ゆっくり熱いお茶を飲み干すとコンは俺にそう言った。
「なんか腹立つんだけど」
「こっちはあまりにも予想通りで面白かったです」
コロコロと笑う狐に腹が立って俺は口を閉じた。
「…やっぱり素直に質問しはれへんね」
コンが何かささやいたけれど聞き取れず、また聞き返す間を与えずコンは話だした。
「翼さんは『望み』を持たずに行動したことあります?」
「え?そりゃあるでしょ」
「ほぉ、どんな?」
どんなって…。
「寝起きにトイレに行くとか」
「排泄したいという望みからですな」
「散歩とか」
「身体を動かしたいという欲求」
「うたた寝!」
「身体を休めたいという望み」
「いったいなにが言いたい!!!」
切れてもいいよね?いきなり狐が現われてこんな禅問答みたいなことをせっかくの休日にさせられたら、切れてもいいよね?
「短気は損気やで、翼さん」
俺の怒鳴り声なんて意に介さずコンは尻尾を優美に揺らす。
「人の行動は『望み』から始まるのが自然の摂理!」
「…人の行動は、の、望みから始まるのが、自然のせつ…り?!」
妙な迫力に圧されてかたことになる俺。
「そう。だからまず翼さんの望みが大事なんです。世の中には色々とコミュニケーションのテクニックがありますけど、それも全部翼さんが何を伝えたいのか。何をしたいのかをはっきりさせないと力が出ないんです」
俺は思い出していた。
オウム返し、ミラー効果、傾聴…。
いろんな事を試したけれどどれも今一つ。
それどころかどこで使えばいいかわからなかった。
「で、翼さん。望みはなんですか?」
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こんにちは、S&Aコミュニケーションの友田ときです。
今回は行動の土台になる『望み』についてです。
これは本当に重要です。私の今があるのも『望み』をはっきりさせたからだと思います。
逆を言えば、迷路に迷い込んでいる人は『望み』をはっきりさせなければ、そのまま迷い続ける可能性も?!
『望み』は方位磁石でもあり、エネルギーの源です。
このBLOGを読んでるのもあなたの何かの望みを叶えるため。
さて、あなたの望みはなんですか?
コミュニケーション能力ってなに?
まぶしい。朝か…?そういや変な夢を見たな。
久しぶりの連休だから調子乗りすぎたかな。
目が覚めた翼が最初に思ったのはそんな事だった。
「神様の使いが来たなら、俺にも運が向いてくるかな(笑)」
「そこまでの力はないですなぁ」
「!!!」
振り返ると昨日の白い狐がいた。
確か京都の有名な神社に関連する狐で縁に関連した狐。
名前は…。
「コン?」
「いきなり呼び捨てですか?」
なんともいけずなひびきでツッコミを入れられて思わず萎縮する。
「まぁ、だいたいのことは覚えてそうで安心しましたわ」
どう見ても狐なのに表情豊かで不思議に思う。今、確かにニッコリ笑ったよな?
「昨日も簡単には言いましたがうちに運を操るまでの力はありません」
「え、そんな…」
「ただし!サポートをすることは可能です。その場限りの食べ物にありつけるのと、魚の釣り方とか食べ物を手に入れる方法を教えてもらうのと。翼さん、どっちがいい?」
…楽をしたい。それが翼の本心だった。
ただコンの妙な迫力がそれを選ばせない。
「食べ物を手に入れる方法…です…」
「せやろ?いやぁ、話が早くて嬉しいわ」
すでに力関係が構築されている…。そんな危機を感じる翼だった。
「ほな、さっそく質問なんやけれど『コミュニケーション能力』ってなにですのん?」
「え?」
翼はぽかんと口を開けた。縁をつかさどる神の眷族とか言いながらそんなこともわからないのか、と。
「あれだよ。人と仲良くなる為の能力だよ」
「へぇ、人って誰でもいいんです?」
「誰でもよくないよ!自分の好きな相手だったり、仕事相手だったり…」
「ほぉ、翼さんはそういう人とプライベートでも仲良くなりたい?」
「仕事相手は別だよ。だから…」
禅問答のようなやり取りに翼は混乱してきた。
いったいコミュニケーション能力ってなんなんだ?
「お社に参拝に来はる人にもいるんです。『幸せになりたい』て願いはる人。これが一番困る!いったい『幸せ』てなんですのん!」
いきなり激昂する白い狐に反論できずに首を思いっきり縦に振る。
「と、これとコミュニケーション能力は良く似てるんです」
すっとコンは怒りを鎮めて翼に襟を正して向き合った。
「まず重要なのは、翼さん。あんたの『望み』です」
「俺の『望み』?!」
俺とコンの物語はここから本当の始りを迎える。
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こんにちは、S&Aコミュニケーションの友田ときです。
早速ですがみなさん、『コミュニケーション能力』てなんでしょう。
人前で話せる能力?お客さまに気にいられる能力?
上司と仲良くなる能力?友達を増やす能力?会話を途切れさせない能力?
場を盛り上げる能力?モテるための能力?
私は細かいことが気になる性分でここでかなり悩みました。
結論として「はっきりしたモノはない!」のです。
人が人間関係に悩んだときに足りないと嘆き、うらやましがる時に使うのが
『コミュニケーション能力』という言葉なのです。
もう少し良く言えば総合能力です。
だから漠然と『コミュニケーション能力』と求めても身に付きません。
そこで必要になってくるのがあなたの『望み』です。
なぜそれが必要なのか?
それはまた次回。
佐藤翼と白い狐
上司に怒られる。
同期がほめられている。
自分の仕事は認められない。
飲み会に誘われない。
友達のFacebookが賑わっている。
そういや最近LINEが鳴らない。
多くなる淋しい休日。
そんなことが続くと人はコミュニケーション能力を上げたいと願うことが多くなるもので、佐藤翼もそう思う1人だった。
その手のビジネス本も買ったし、笑顔で挨拶をしようともした。
しかしいつもいつも失敗ばかり。
嫌になる、と日が高いうちから自宅で飲み始め、そして何本目かのビールの缶を高々と上げた。
「誰か俺のコミュニケーション能力を上げてくれよ!!」
「手伝いましょか?」
一人暮らし一人飲みのはずなのに突然返事があった。
前を見ると白い動物が一匹。
「…なんだ?お前は?」
「京都に縁のある狐です」
「きつね?!」
独特の訛りがある言葉を話す狐。さすがに飲みすぎたかな、と翼は思った。
「うちは『縁』に関する神さんの眷族の狐です。たまたまこの近くを通ったらあんたさんの嘆きが聞こえてきましてな。…大変だったんですな」
『大変だった』その言葉に翼は反応した。
そうだ自分は大変だったのだ。
「お、俺だって上司に認められたいよ!
口だけの先輩のどぎもをぬいてやりたいよ!!
そして自信を持ってあいつに告白したいよ!!」
そこまで叫んで視界がゆがみ始めた。
「ぜ、全部コミュニケーション能力がないせいだぁぁぁぁぁ!!」
大泣きし始めた翼。
「それならうちがお助けいたします。助け、必要やんな?」
「お願いしますぅ、助けて下さいぃぃぃ!!」
「ほな、契約成立や。」
その言葉と一緒に狐が悪い笑顔を作ったような…それに翼は気づいていなかった。
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みなさん、はじめまして。
S&Aコミュニケーションの友田ときです。
正直に言いますと、私もあまりコミュニケーションは得意ではありません。
「コミュニケーション能力が欲しい!!」とあがいてきた人間です。
ただ現在は「コミュニケーションが苦手で…」というとツッコミが入るようにまで成長しました(笑)
私が学んだことの中で特に重要な柱は”Actor”と”Scientfic”の二つです。
さてどういうことでしょうか?
翼くんと白狐のコンちゃんの二人を通してお伝えしていきますね。
6月1日より公開!!
コミュニケーション能力をアップしたいと切に願う佐藤翼。25歳、男性、会社員。
そんな彼のところに神の使いと名乗る白い狐が現れた!
神の使いと言っていたのに教えてくれるのはチャートフローや演技の仕方?!
そんなので本当に人間関係は改善するのか。
でも
上司に認められたい!
口先だけの先輩のどぎもをぬいてやりたい!
自信をもってあいつに告白したい!!
そんな翼くんと同じ悩みを持つあなた。
6月1日からの公開を待て!!!